Record-Route

湿気った菓子が好きだ。
最初に出会ったのは小学生の頃だったと思う。
食べきれずに放置していた、チーズ味のカール。
おそらく密封状態があまかったのだろう。
翌日には完全に湿気り、食感が変わっていた。
昨日まではサクサクだったのに、ポフッとした歯ごたえ。
しかしながらその気の抜けた食感に、何ともいえない感動を覚えてしまった。

さて、そんなことを思い出した今日、カール以外にもいろいろなお菓子を湿気らせて、
その食感を楽しんでみたい。

錚々たる顔ぶれ。

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全選手、入場！

天然えびは生きていた!!更なるカルシウムを積み、伝統のスナック菓子が甦った!!!
やめられない、とまらない!

カルビーのかっぱえびせんだァ――――!!!

ウマァァァァァいッ説明不要!!　ハッピーパウダー!!!　パウダーキャッチ製法!!!

亀田製菓のハッピーターンだ!!!

ミルクキャラメルで磨いたやさしいおいしさ!!
東ハトのロングセラー　

キャラメルコーンだ!!!

食感だったらこの菓子を外せない!!　直火焼製法　

亀田製菓のまがりせんべいだ!!!

元祖ノンフライが帰ってきたッ
どこへ行っていたンだッ　チャンピオンッッ
俺達は君を待っていたッッッ

明治製菓、カール（チーズあじ）の登場だ――――――――ッ

…はい。
湿気させる菓子の紹介も終わったところで、皿に盛り付けよう。

この状態で1日ほど放置する。

試食

さて、1日経過したので試食してみよう。

見た目は変わらない。

ハッピーターンはほとんど食感が変わらなかった。
もしかしたら周りに付いている粉（ハッピーパウダー）が湿気るのを防いでいるのかもしれない。
かっぱえびせんも若干しっとり感はあるものの、それほど変化は見られなかった。

まがりせんべいはしっとり感がでていた。
ただ、これをわざわざ作るならば、最初からぬれせんのような、
しっとり系のせんべいを買った方が良いのではないかと思う。今さらだけど。

カールとキャラメルコーンは、食感が全く変わっていた。

圧力をかけると、ぺったんこに潰れてしまう。

どちらかというと、キャラメルコーンの方が湿気り具合がすごかった。
あのサクサクはどこへやら。ポフッどころか、もうクチャクチャに近い。
あごが疲れるので、素人にはお薦めできない。

カールは想定していたとおり、ポフッとした、あの頃の食感。
ほのかにサクサク感も残っており、それがチーズ味にマッチしていて、
とてもうまい。

今回の大会は、初代チャンプであるカール（チーズあじ）が防衛を果たし、
その幕を下ろす結果となった。

湿気カール、やっぱりうまい～あとがき～ カール以上のうまい湿気菓子を見つけたくてやってみた企画だったが、今回はそれを超える逸材は現れなかった。まだ湿気ったカールを食べたことが無い方は、ぜひ…… と、ここまで書いておいて、あることに気がついた。カールの包装袋に記載されていた、ある電話番号にダイヤルする。 「はい。お客様相談センター、時間外受付の〇〇です。」 「（やば、時間外だった…。）　あ、すみません。ちょっと確認したいことがありまして。」 「はい。どういったことでございましょうか？」 「カールのチーズあじが好きで、よく食べるんですが、」 「ありがとうございます。」 「あ、いえいえ。　そのぅ、湿気させて食べるのが好きなもので、しばらく放置してから食べることがあるんですが、衛生的には大丈夫なものでしょうか？」 「…。　あの、どの程度放置されるんでしょうか？」 「1日くらいです。」 「その程度でしたら、通常の保管状態であれば問題無いと思います。ただ、あまり長い期間はよろしくないかもしれません。」 「そうですか。ありがとうございました。」 「はい。失礼いたします。」 （ガチャ） さすが明治製菓。一瞬の沈黙はあったものの、こんなくだらない質問にも丁寧に応対してくださった。 では、気を取り直して、 まだ湿気ったカールを食べたことが無い方は、1日程度であれば安全なので、ぜひ試してみてね!