Record-Route

野菜炒め、鍋料理、ラーメン、などなど…もやしは主役を引き立てる名脇役だ。
もやしの魅力はシャキシャキという心地良い歯ごたえと、その価格の安さにあると思う。

いなげやで購入した雪国もやし。

"メチャメチャ高い"といっても、二袋で100円もかからない。

もやしの入った料理を食べるとき、いつも思うことがある。
「お前はもっと、前に出ても良い食材なんじゃないか…。」
しかし、もやしが主役となっている料理は、あまり見かけたことがない。
そこで今回は、いつも他の食材に主役を譲っているもやしをメインにしたメニューを
作ってみたいと思う。

焼いてみる

まずは手始めに、焼き物を作ってみよう。
イメージとしては、"もやしの蒲焼き"だ。

蒲焼きのタレを作る。

鍋に正油、みりん、酒、砂糖を投入し、煮詰める。

煮詰まったら、弱火で少しコトコトした後、アクを取って冷やす。

蒲焼きのタレが完成。

もやしをタレにつけこむ。

フライパンで焼く。

ご飯に乗せて、"もやしの蒲焼き丼"の完成。

「それだけ！？」という声が聞こえてきそうだが、それだけである。
もやしが主役なんだから。
余計なことをしては、かえっていけないのだ。


揚げてみる

続いて揚げ物に挑戦しよう。
天ぷらの衣を作り、もやしを絡めて、

180℃の油で揚げる。

うちの揚げ物鍋は、初心者には嬉しい温度計付きだ。

"もやしのかき揚げ"の完成。

少し焦げたのはご愛嬌。

もやし以外の具材は一切入れていない。
しかし一人で揚げ物を作るのは、何とも切ないものがある。

かき揚げにつけるため、手前から時計周りに"沖縄塩"、"柚子塩"、"抹茶塩"を用意。

塩は特別に購入した訳ではなく、天ぷら粉に付属していたものだ。
ぜひとも、もやしを引き立てて頂きたい。


煮てみる

焼く、揚げる、ときたので、最後に煮てみることにする。
もやしのスープを作ろう。

お湯に鶏がらの素、塩、胡椒を入れてスープを作り、もやしを投入。

しかし、なんとも貧相な画像だ。

1～2分ほど煮込み、ごま油を垂らし、白胡麻を添えて完成。

調子に乗ってかき揚げを作ってたら、スープに使うもやしが少なくなってしまった。
本当はもっとたっぷり使いたかったのだが、残念だ。


食してみる

今回作った、3種類の料理を並べてみた。

雪国もやしを一袋使った"もやし御膳"が堂々完成。。

右に見えるのは日本酒。

では、さっそくいただきます。

どの料理も、もやしのシャキシャキ感が活きており、普通においしい。
一番おいしかったのはかき揚げ。
塩の中では、柚子塩が最も合っていた気がする。

3種類も塩を用意しておいて何だが、めんつゆが一番気に入った。

そうこうしているうちに、一気に完食。
十分に満腹になった。

しかし、何だか物足りない。
どの料理もおしかったし、空腹も満たされたのだが…。

適材適所～あとがき～ "あしたの、喜多善男"というドラマが、フジテレビ系列で放送中だ。名バイプレーヤーとして知られる小日向文世が主演ということで注目されたが、視聴率は伸び悩んでいるらしい。裏番組は、バラエティ番組の"リンカーン"、今や飛ぶ鳥を落とす勢いの小栗旬が主演の"貧乏男子"。演技はもちろん申し分無いし、ストーリーもおもしろいと思うのだが、他と比較すると派手さに欠けてしまうのかもしれない。 同じようなことが、今回の企画にも言えるような気がした。もやし御膳はおいしかったが、自分はもやしを無理やり主役に引き上げてしまったように思う。食材にも人間にも、活きてくるポジションというものがある。大切なのは、それを的確に捉えることだ。冒頭で「もやしは名脇役」といっておきながら、自分は脇役という立場を軽視していたのかもしれない。反省だ。 　 翌日に作った、肉ニラもやし炒め。 脇役として主役を引き立てる君に、人生の教訓を一つ学んだ気がする。 　 今日も、もやしがうまい。